糖尿病の治療は、病気にならないための「予防学的治療」が基本となります。ブドウ糖負荷試験で、正常でも糖尿病でもなかった人を「境界型」と呼びますが、この境界型の人達は、薬などを使わずに日頃の食事に気を付けながら運動を続けて予防していきます。定期的にブドウ糖負荷試験を受け、自己チェックをすることで糖尿病にならないように心掛けることが大切になります。
糖尿病と診断された人は、病状が悪化していくと、「足が腐る」、「目が見えなくなる」、「透析を受けなくてはいけなくなる」などの最悪のケースを引き起こす場合もあるので、医師やナースが患者のライフスタイルに介入し、積極的に治療していきます。
糖尿病は、自覚症状があまりないので、まず病気の恐さを知ること、そして食事法、運動が重要となります。食事については、「食品交換表」などを使用して食事を西洋化からローカロリー型に変える食事療法を勉強することが大切です。運動については、15分ほど早足で歩くと血糖値が徐々に下がっていくので、1日30分以上の早足歩行を2回行うのが理想とされています。
食事療法や運動療法でも血糖値が下がらない人は、薬物治療を行います。従来は血糖値を下げる薬が主流でしたが、これらの薬は飲み方を間違えると低血糖による昏睡状態を引き起こす劇薬のため、医師やナースの適切な指導が必須となります。最近では薬の種類も増え、血糖値を下げるのではなく、上げないようにする薬もたくさん出てきています。これらの薬は、血糖値が下がりすぎる心配がないため、従来より処方しやすくなりました。
薬物療法でも血糖値が下がらない場合は、血糖値を下げるホルモンの「インスリン」を注射します。このインスリン注射は、患者自身が注射をする「自己注射療法」です。これも劇薬のため、ドクターやナースから保管方法や使用方法、使用後の針の処理(管理)などの指導を受けて、患者自身が安全に使用できるかどうかが重要になります。
繰り返しになりますが、糖尿病は放って置くと合併症を起しやすい病気です。例えば、「糖尿病性神経障害」は、脳から遠い神経である足先から侵されていき、足の感覚が鈍くなります。怪我をしても気づかず、感染症などを引き起こし、壊疽になってしまう場合もあります。また網膜症や腎症になりやすく、日本人の成人の失明発症の第1位は「糖尿病性網膜症」、透析を受けている人の内3人に1人は「糖尿病性腎症」だと言われています。
このように糖尿病は、半端な治療や知識は症状を進行させる結果となるため、医師による正しい治療を受けることや日々の自己管理が予防となります。