効果的な3段階の治療法 〜家族相談・個人指導・集団適応の重要性〜

 社会的ひきこもりへの治療的対応は、3段階に分かれます。


家族相談

 ひきこもりは、家族の知識や身に付けてきたしつけ方法で対応しきれるものではありません。それほど難しい知識が必要だというわけではありませんが、「ひきこもり」を十分理解し、特殊なコミュニケーションの取り方を学ぶ必要があります。いかにひきこもり本人に共感し、どのようなコミュニケーションが傷つけずに心を開かせるのかを学習します。
 また、大体の家族は、ひきこもりの人が出たことにパニックを起こし、通常の状態であれば理解できるようなことも分からなくなってしまいます。そのため、この「家族相談」とは、家族がまず落ち着いてパニックを脱してもらうことを目的としています。

個人指導

 ひきこもる本人は、自ら進んで病院やカウンセリングに参加することはありません。しかし、家から出られないわけではないので、そこへ行くことに意味があると解釈されれば出かけることは可能です。そのため、まず家族が家族相談で治療に希望を持つことが大切になります。そうすることで、本人も「何かが変わるかもしれない」という希望を持って病院に出かけて行きます。
 本人が病院に来た場合には、個人的治療法(カウンセリング)を行っていきます。ひきこもりは薬を飲んで治るものではありませんが、不安が強い・眠れない・うつ状態から抜け出せないなどの精神症状が見受けられた場合には、少量の薬を対処療法として使用することもあります。

集団適応(デイケア・たまり場・自助グループなど)

 デイケア・たまり場などは、同じひきこもりの若者同士が集い、社会参加への第1歩を踏み出すことのできる重要な場です。1対1の関係や中途半端な治療より、デイケアやたまり場などで出会う、ひきこもり経験者同士の出会いの方が効果的といえます。これらの集いに参加できた人には、ストレスや対人関係、対人緊張などの面をサポートするだけで、グループの力で本来の方向に向けていくことが可能になります。
 また、ひきこもっている本人にとって、指導者や親に言われたことは真実味が感じられず、行動を起こす動機にはなかなかなりません。しかし、同じ悩みを持つグループの仲間が起こした行動や意見(アドバイス)には、リアリティがあるため、興味を持ち何かを始める動機付けになっていきます。また、このような場を通してひきこもりの人達は、集団、社会性を除々に身に付けていくことができます。



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