ストレス評価法〜職業性ストレス簡易調査票の役割〜

 アメリカの労働衛生研究所「NIOSH」が、労働者のストレスを評価することができる「職業性ストレス調査票」を作成しました。しかし、ストレス要因は人それぞれで、仕事に関するものだけでも量や質、人間関係などさまざまです。さらに個人の問題なども含めると250項目にも及び、労働者1人ひとりに時間をかけて答えてもらうのが困難でした。
 そこで、厚生労働省は平成7年から5年間かけ、短時間で簡単にストレスを評価できる「職業性ストレス簡易調査票」を開発しました。この調査票は、質問が57項目と少なく、5分程で回答できるように作成されています。従来からの質問を見直し、より幅広くストレスの原因や周りからのサポート、心理的反応、本人のパーソナリティ、身体的症状などを総合的に把握ができ、どのような職場でも活用することができるようになっています。
 これまでの調査票は「うつ」「不安」を調べる質問が多く、かなり症状が悪化している人でないと、何の結果も得られないという問題点がありました。しかし、この調査票では、疲労やイライラするといった軽いストレス状態のレベルから把握することが可能です。
 調査の結果はストレスプロフィールとして、レーダーチャートや分かりやすい解説と共に個人へフィードバックされます。その結果から、労働者は自分のストレスに気付き、対処方法を考えられるようになっています。特に問題のある人には面談をして、必要に応じて専門医を紹介する場合もあります。
 調査票については、以前、きちんと1人ひとりから話を聞いて診断するべきだという意見もありましたが、大企業などは多くの労働者全員と面談することは難しいため、現在は企業の健康管理スタッフや産業保健スタッフにも、労働者の健康を知る良いツールとして支持を得ています。
 この調査は健康診断などで行われる他、セルフチェックのできるホームページや本などもあり、自分が今どのようなストレス状態なのか知ることができます。



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