「もの忘れ」とは、記憶の問題。脳には、記憶を司る「海馬(かいば)」という部分があり、記憶の入り口として最も重要です。しかし、記憶は脳全体に関わることで、海馬だけではなく大脳に蓄えられたりもしています。歳を取っていくと、この海馬の細胞が段々減ってくる傾向にあるため、新しいことが覚えられなくなってくるといわれています。
カリフォルニア大学では、狭く何もできないところに閉じ込めたネズミと、スペースやたくさんの遊び道具がある場所にいたネズミ、毎日プールに入れ、ストレスを与えたネズミの脳の状態を比較する研究が行われました。
何もしないネズミの脳はどんどん衰えていき、遊び道具のある楽しい環境で育ったネズミは、脳の神経細胞がたくさんに分裂して増えてきたという結果が出ています。また、嫌いなプールに入れられ、ストレスを与えられたネズミは、特に海馬の細胞が減っていました。このことからも分かるように、ストレスは海馬に悪い影響を与えるといえます。
さらに、この実験で大切な点は、若いネズミだけでなく、歳を取ったネズミに同様の実験を行った結果も同じだったということです。脳の変化は、年齢だけに関係があるのではなく、環境が大きく影響し、1度ダメになった神経細胞も回復していくケースもあるといえます。