ライフスタイルの改善が大切〜いきいきとしたライフスタイルが痴呆を防ぐ〜

 これまで、脳は生まれてからどんどん発達し、20代が最高の時期で30代を超えると徐々に下り坂になってくるといわれ、140億個ある細胞の数も、1日10万個位のペースで死に、50代になるとさらに1日20万個程の細胞が減っていくといわれていました。
 しかし、先程のネズミの実験でも分かるように、豊かな環境は脳の知的機能を維持していきます。年齢に関係なく、脳細胞を活動させると細胞は増えていくということが近年分かってきました。
 じっと物事を考えるよりも、本を読む、字を書くなど頭を使う『知的活動』や、社会に出て行き、いろいろな人と接する『社会的活動』、運動などで体を動かす『身体的活動』の3つをうまく調和させる生活が大切になります。
 さらに、「痴呆」を防ぐためには、ライフスタイルの改善が必要です。中でも次の6つのポイントが重要になります。

食事の習慣

 食事は肉中心の食事より、緑黄色野菜や、血液を固まりにくくし、神経細胞の伝達をスムーズにする物質を含む魚を多く食べることが大切です。特に、DHAやEPAを多く含むマグロやイワシ、サンマなどの青魚が効果的です。
 また、甘いものを控えることも大切です。甘いものを食べると中性脂肪が増え、血液がドロドロになりやすくなります。中性脂肪やコレステロール、血糖値が高い、水分不足になった血液はドロドロになり、血液が非常に濃くなると、脳梗塞などを引き起こす場合もあります。
 さらに、太り過ぎは「痴呆」を促進するともいわれています。カロリーはとり過ぎず、腹八分目を心がけることが重要です。
 朝食も欠かさずとりましょう。血糖値が1番下がっている朝に、食事を取らないと脳に必要なブドウ糖ができないため脳の働きが悪くなります。
 伝達物質であるアセチルコリンを増やすためには、コリンとブドウ糖が必要。コリンを多く含む、玉子や豆腐などが効果的です。

睡眠

 日常で得るさまざまな情報は、海馬に入り、海馬から大脳に送られ蓄えられます。これらの作業は睡眠中に行われるため、寝ることが記憶を固定するのに重要な役割をしているといえます。そのため、7〜8時間の熟睡が必要です。
 また、昼寝の習慣がある人に「痴呆」の人は少ないといわれています。長時間の昼寝ではなく、30分以内の昼寝の習慣を付けることが大切です。

ストレス

 ストレスによって神経細胞が破壊され、記憶の障害を起こすことはよくあることです。ストレスでアドレナリン、コルチゾールなどの物質が、絶えず血中に高い状態にあると、記憶を司る海馬の細胞を破壊するといわれています。また、慢性のストレスは、人を抑うつ的にもさせ、脳に悪影響を与えます。そのため、ストレスを溜めずに、取り除く方法を探すことが大事です。

ユーモア

 面白いことを聞くことは、非常に健康に良いといわれています。人間は、右の脳と前頭葉の働きで面白いと感じ、特に前頭葉を使って笑っているようです。いろいろな方法でユーモアを理解し、人と話したりすることは脳に良い刺激を与えます。ユーモアのある会話や生活をすることは、人間の脳をいつまでも若々しくするために必要な要素です。

音楽

 音楽は人間のさまざまな箇所に刺激を与えます。そのため、歌を歌ったり、音楽を聴くことは脳を活性化させ、老いを防いでくれるといえます。また、立体的な感覚や空間的な能力を高める特殊な音楽もあります。
 1歳位の子供に音楽を聴かせると、自然に踊り出すように、人は母の体内にいる時から音楽の記憶を持って生まれてくるともいわれています。音楽を取り入れて治療する「音楽療法」を用いる病院や施設などもあります。

運動

 運動は脳の血流を良くし、脳細胞の強化に役立つ身体運動は、非常に重要なものです。誰もが手軽にできる歩くという動作は、脳から筋肉へ、筋肉から脳へと指令を出し、脳全体を使うことになります。そのため、よく歩くお年よりは頭がしっかりしているといわれています。1日に30分から1時間程歩くことが効果的です。また、楽しく歩くとストレス解消にも繋がります。



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