「摂食障害」は、特に若い女性に多く、一般的にダイエットのやり過ぎが原因のように思われがちですが、ダイエットだけが原因ではなく、その理由はさまざまです。現代のようにダイエットブームではない19世紀にも「摂食障害」の症例の記録は残されています。
この病気は、決して「痩せてきれいになりたい」というだけではなく、自分の評価を体重だけで決めてしまったり、自分に対する自信のなさを表す精神症状だといえます。
「摂食障害」は、徐脈・体温低下・貧血・低血糖・低カリウム血症・不整脈など身体にさまざまな症状が出ます。しかし、急激な変化が起こるわけではなく、嘔吐などを繰り返すうち、徐々に体調に変化が出てくるため、自覚症状がありません。本人も周りも気付きにくいため、注意する必要があります。
また、「摂食障害」は、合併症を引き起こしやすい病気です。「拒食・過食」は身体的な変化もあり、比較的診断がしやすいですが、実はうつ症状の方が深刻な問題となっている場合もあります。そのため、「拒食」や「過食」の症状だけをみていると、その奥にある、「衝動的になりやすい」「自傷行為が止められない」などの見付けにくい症状を見落としてしまうことがあります。一部分の症状だけではなく、全体をしっかりみて精神科的な正しい診断をつけることが大切です。