アメリカ・カリフォルニアのある研究者は、拒食症で入院していた人のその後の経過を詳しく調査して報告しています。この病院では、入院中に身体の治療だけでなく精神療法や家族療法なども含めた集中的な治療をしているようです。それでも、退院後すぐに「拒食症」が完全に回復するケースは多くありませんが、年を追うごとに回復してきているというデータが得られています。
まず体重・体調を回復させる「部分回復」をして、時間をかけて心理面も回復する「完全回復」を目指すことが大切です。
「部分回復」とは、体重が元に戻り、女性の場合は生理もくるようになり、身体的には心配のない状態です。この報告では、部分回復は退院1年後には10%ですが、10年後には85%くらいです。
また、身体だけではなく、体型や食べ物へのこだわりなど、心理的な面が完璧に回復することを「完全回復」といいます。入院の必要がない軽症の場合、1年目で回復することもありますが、入院が必要な症例では2年目あたりでの完全回復はあまりありません。しかし、最終的に8割近くの人が治っているので、初めから焦る必要はありません。
気持ちの回復は、身体の回復よりも困難です。患者に対して「太っていない」と説得しても、ボディーイメージの回復は非常に難しいものです。そのため、介護する家族は、最初からボディーイメージを回復させようとするのではなく、体重を回復させ、社会参加しながら自信を付け、こだわりを捨てていくことが大切です。社会参加をしている内に、気が付いたら治っていたということが理想的で、実際、最も多い回復ケースです。