音楽療法〜さまざまな対象者〜

「音楽療法は、お年寄りや子供のための療法である」と思われがちですが、高齢者や子供だけではなく、知的・身体的障害をもつ方などあらゆる分野で、幅広い年齢層の人が対象となっています。
 アメリカでは、精神科との連携で退役軍人の治療に音楽を取り入れたのが始まりであったため、音楽療法は精神障害の分野から発達しました。日本でも精神障害の分野が音楽療法のさきがけとなりましたが、時代とともにその対象者は多様化しています。
 視覚障害における音楽療法は、アメリカでは比較的歴史が古いです。視覚障害をもつ方にとって、音がする方向を認識することは重要です。楽器を鳴らして、音源の方向を確認する耳の訓練などは、対象者の安全を確保するため、実践されています。
 また、聴覚障害にも音楽療法は有効です。耳が聞こえないのに効果が得られるものか疑問に思われがちですが、太鼓などを使用し、振動を体で感じてもらう方法が取られています。また、歌などを使い、ことばの抑揚の訓練にも活用されています。
 この他、知的・身体的な障害を持つ子供達には、音楽を通して、自己表現の促進、情緒の安定、他人との関係改善など、発達段階と個人のニーズに合わせて音楽療法が実践されます。ただし、音楽療法は音楽教育と異なった視点をもっています。つまり、音楽の知識や技術を教えることが目的ではないのです。音楽の力を通して、身体的、心理的、社会的ニーズにこたえ、より良い生活の実現の手助けするのが音楽療法です。



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