音楽療法の形態〜単に音楽を聴くだけの治療ではない〜

 音楽療法は、音楽を聴くことだと思われがちですが、その形態は、歌唱(ソロや合唱を含む)、楽器演奏、即興演奏、作詞、作曲、ムーブメント、ダンス、ディスカッションなどさまざまです。
 即興演奏は、非常にシンプルな音のやりとりから、対象者の音楽的経験によってかなり複雑なものまで、その形は多様です。楽譜を使わず、心のおもむくままに演奏したり、言葉やイメージをヒントにしたり、簡単なルールに沿って演奏するものが含まれます。
 作詞、作曲については、患者さん自身が作曲したり、患者さんの作った詞に音楽療法士が曲をつけたり、患者さんの作ったメロディーに音楽療法士が伴奏をつけて一緒に演奏することがあります。既存の歌詞をアレンジして、患者さんが自分の思いを言葉に置き換えることもできます。施設に入所している高齢者で、娘に感謝の気持ちを伝えようと、音楽療法士の助けをかりて、自分の気持ちを歌詞にして歌い、録音してプレゼントした例などもありました。
 ムーブメントやダンスは、自分の気持ちを体で表現することで、非言語的なコミュニケーションを促進するのが主な目的です。ストレスの発散にもつながります。
 ディスカッションは、歌を一緒に聴き、歌詞の内容について話しあうことで、心の問題や課題などにとりくむことが目的です。曲を聴いて、感じることを話し合ったり、落ち込んでいる時に聴く曲について話し合うことで、ストレスを上手に処理する方法をグループで探ることもできます。
 音楽療法においては、患者さんが創作したり演奏したりする音楽を、音楽の技術の有無で判断することをしません。その方自身の表現のプロセスを最も大切にし、その方にとって音楽が最も有効に働くよう、手助けをするのです。



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