最近では緩和医療において、癌などの患者様に対して音楽を使い、気持ちを安定させ痛みを和らげるアプローチが行われています。
病院は不安やストレスが非常に多い場所です。そのような環境の中で、ストレスを少しでも減らす役割が音楽療法にはあります。患者様は、音楽療法士の助けで音楽を体験していくことによって、自分の気持ちを表現し、ストレスを発散します。制約の大きい病院の環境の中で、音楽表現は、自分でコントロールができる数少ない活動のひとつです。、自分でコントロールできるものがあることは、不安やストレスの軽減につながります。
また、末期癌を抱える患者様の場合、大量の鎮痛薬を投与すると、意識がもうろうとしてしまうため、人生の最後の大切な時間を充実して過ごすことが難しくなります。音楽と呼吸法、リラクゼーションを組み合わせることにより、鎮痛薬の投与量を減らすことが可能になったとの報告があります。これは、物事(この場合は音楽)に集中している時は痛みを感じにくいという理論に基づくものです。音楽は適切に使用すれば副作用がありませんから、最後まで自分らしい生活を送れるよう、痛みをコントロールする手助けができるのです。また、音楽によってリラックスすることで免疫力が上がるのではないかとも考えられています。しかし、この場合、音楽の選択と繰り返しの練習がキイ・ポイントです。患者さんの好みに合った音楽を使って、「聴いてリラックスする」というパターンを心と体に教え込む必要があります。そのようにしてはじめて、痛みの軽減やリラクゼーションに音楽を効果的に利用することができるのです。