まとめ〜諦めたり、無理をするのではなく“ほどほど”を受け入れる〜

 親は病院や児童相談所で障害について聞かされた時、ショックを受けます。ショックの後は、否定や悲しみ、怒り、原因究明などの過程を経ながら、希望を持ったりあるいは抑うつ的になったりします。そうした感情をずっと行ったり来たりしながらも、本当の意味で障害を受け入れることは難しく、子どもが成長してからも後悔を繰り返してしまいます。 早い段階で障害に気付くことや対応するとは、早くから差別することではなく、子どもを正しく理解するチャンスに繋がります。全ての子どもを大切に思う心と、全ての子どもに未来を託そうとする決意が重要です。
 また、何歳までにこれができるようにならなければならないといった臨界期はないということを前提に、つねに人生は修復できるという信念を持っていないと辛くなってしまいます。望むべき人生とは、ほどほどに折り合いの付いたものだということを念頭においておくことが大切です。残念ながら、全ての子どもが書けるようになる、読めるようになる訳ではありません。どう頑張ってもできないまま大人になっていくケースもあります。ですから、克服するのではなく、折り合いを付けて身の丈にあった人生をどのように選ぶかが最も重要です。
 さらに、家族と関係者(医療者など)の間には、子どもの苦労を全て把握したような気持ちになっていても、超えられない境界があるという現実をしっかり理解しておかなければいけません。分かり合えない部分も多く、お互いに疲れてもいますが、関係者は親子ほど傷付いてはいません。
 繰り返しになりますが、重なり合わない部分を持ちながらも、発達障害を理解し、信念を持って子どもに向き合い、落ち着いて・前向きに・一貫した気持ちを大切にしていくこと。頑張れる子どもにはなりにくいかもしれないが、本人や家族、関係者がきちんと障害について理解をすること。自尊心や自己評価を下げないサポートをしていくことが適切な支援に繋がります。



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