性差医療〜生物学的性差・社会的性差を考慮した医療が求められている〜

 これまでの医療は、女性は妊娠の可能性や月経の周期によって身体のバランスが変化するため、妊娠・出産に関わる産婦人科の分野以外、ほとんどが男性を対象(モデル)にした研究で発展してきました。しかし現在では、女性と男性では生物学的にも内分泌的にも、社会的・文化的にも性差があり、同じ薬を投与しても薬の代謝や副作用の出方も変わってくることが分かってきました。
 例えば、女性は高脂血症が非常に多いといわれています。しかし、女性ホルモンはコレステロールから作られるため、更年期に入り卵巣で女性ホルモンに転換される量が減少すると、転換されなかったコレステロールが残ります。更年期になるとコレステロール値が上がってくるのは、ある程度、生理的な現象といえます。そのため、コレステロール値が男性なら動脈硬化が心配される220mgを超えても、女性の場合277mg位までは生命のリスクには関係しないのではないかと言っている人もいます。しかしながら、高脂血症の薬を服用している人は圧倒的に女性が多いのです。このことからも分かるように、現在ではこうした性差を考慮した医療が求められてきています。



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