先述のように、骨量の減少は誰にでも起こることです。しかし、診断基準を超えるほど骨量が減少してしまうと、骨折の危険を増大させることに繋がります。
骨粗しょう症による骨折は、いくつか代表的なものがあり、なかでも、太腿の付け根を骨折する「大腿骨頸部骨折」が最も重症なものです。2002年の調査では、日本中で12万人の男女が大腿骨頸部骨折をしたという結果が出ています。これは80歳以上の人で考えると、100人に1〜2人を超える割合になり、前の年に比べても30%も増加していました。
また「脊椎圧迫骨折」は最も多く、これは背骨に積み重なっている頚椎や胸椎、腰椎が潰れたようになってしまう骨折です。急に発生するものと、ゆっくり進むものがあり、尻もちをついたり、転んだ時に急な痛みに襲われる急性の場合、骨の痛みなのか、椎間板ヘルニアなどのように軟骨の変性に由来する痛みなのかを調べる必要があります。一方、普段は痛みがなかったのにエックス線検査で発見されたり、骨が潰れて周りの筋肉や関節、じん帯に負担をかけることで起こる圧迫骨折もあります。
さらに、転倒時に手を付いて手首の付け根を骨折してしまう「前腕骨遠位端骨折」も多く、その他には「上腕骨骨折(肩の付け根部分の骨折)」、「肋骨骨折」なども挙げられます。
手足の骨折は、ベッドから落ちる、転倒・転落などを予防することで、多くの場合、避けることが可能です。最近では転倒予防教室なども開かれていますが、転倒・転落を防ぐことは、たとえ骨粗しょう症があっても骨折しないということにも繋がります。
また、骨密度が同じでも、骨折のリスクは年齢を増すごとに高くなってきます。骨折を全くしていない人と比べ、1箇所でも骨折をしている人は骨折のリスクが3倍も高く、2箇所以上に骨折がある場合は、さらに骨折を起こしやすいという結果が出ています。このことからも分かるように、まだ骨折をしていない状態の時から、予防を心掛けておくことが大切です。