呼吸筋ストレッチ体操 〜呼吸筋を鍛えて胸をやわらかくする〜

 先述のように、息苦しさは大脳と呼吸筋の情報交換がうまくいかないことで起こります。そのため、呼吸筋から大脳へ情報を送りやすくするストレッチは効果的です。
 通常のストレッチは、ほとんどの場合、息を吐きながら行いますが、「呼吸筋ストレッチ体操」は息を吐くだけではなく、吸いながら体を伸ばす場合もあります。その部分に注意して、ストレッチを行いましょう。

<レッスン1 準備運動 肩の上げ下げ>
・足を肩幅くらいに開き、背筋を伸ばしてリラックスする。
・鼻から息をゆっくり吸いながら、両肩をゆっくりと上げていく。
 さらに息を吸いながら両肩を後ろに回す。
・口から息をゆっくりと吐きながら、両肩を下ろして元の姿勢に戻る。

(ポイント)
これは、呼吸をしながら体を動かすことに慣れるための準備運動です。
肩に力をいれず、リラックスして行うことが大切です。


<レッスン2 息を吸う胸の呼吸筋のストレッチ>
・両手を胸の上部にあてて、息をゆっくり吐く。
・胸が上がらないように両手で押し下げるようにしながら、
 あごを突き上げるようにゆっくり息を吸う。
・息を吸いきったら、おへそを覗き込むような形でゆっくりと
 口から息を吐きながら元の姿勢に戻る。

(ポイント)
あごが上がり過ぎないように注意し、胸を広げながら背伸びをするようにします。
肩は常に楽な状態にし、首だけをずっと伸ばしていきます。首の後ろが痛くならないように、
あごは斜め前くらいに突き出す形で伸ばしていきます。


<レッスン3 息を吐く呼吸筋のストレッチ>
・両手を頭の後ろで組み、ゆっくりと息を吸う。
・ゆっくりと息を吐きながら両腕を上に伸ばし、背伸びをしていく。
・息を吐ききったら、ゆっくりと息を吸いながら元の姿勢に戻る。

(ポイント)
背筋が伸びている時、かかとは床に付けたままの状態です。腕を上に伸ばす時は、
ひじをしっかり伸ばします。視線を下に置いたまま腕を伸ばしていくと綺麗に伸びます。
この運動は、大脳と呼吸筋(呼息筋)の情報交換を正常にするため、息を吐きながら伸ばし、吸いながら戻ることが大切です。


<レッスン4 息を吸う背中と胸の呼吸筋のストレッチ>
・胸の前で両手を組み、ゆっくりと息を吸い、口からゆっくりと吐き出す。
・息を吐ききったら、息を吸いながら両腕を前に伸ばし背中を丸めていく。
・息を吸いながら十分に背中を丸めきったら、ゆっくりと息を吐きながら
 両腕と背中を元に戻していく。

(ポイント)
おへそをへこませ、肩甲骨を外側に開いていく感じで、背中がボールになるようなイメージで行います。これは、背中の方にある吸う筋肉を伸ばす運動のため、腰を曲げずにお尻は突き出さないように注意します。


<レッスン5 息を吐く腹部、体側の呼吸筋ストレッチ>
・片方の手を頭の後ろにあて、反対の手を腰にあて、鼻からゆっくりと息を吸う。
・息を吐きながら頭にあてた側のひじを持ち上げるように、体側を伸ばす。
・息を吐ききったら体を元に戻し、呼吸を楽にする。
・反対側も同じように繰り返す。

(ポイント)
ひじを上に向けて吊り上げるようにし、かかとと一直線になるようにします。横腹の吐く筋肉を伸ばす運動のため、体は「くの字」にならないように気をつけ、ひじから足にかけて数字の1になるように伸ばしていきます。


<レッスン6 息を吐く胸壁の呼吸筋のストレッチ>
・両手を後ろにして腰の高さで組み、リラックスする。
・ゆっくり息を吸いながら、両肩を前方に閉じていく。
・ゆっくり息を吐きながら組んだ両手を腰から少し離し、両肩を後・下方へ伸ばす。
 息を吐ききったら、元の姿勢に戻る。

(ポイント)
手を後ろに引きながら、胸を張るイメージでやります。お腹の前を伸ばしたいので、お腹を前に突き出すようにして行います。


 この6つの体操で、呼吸筋ストレッチ体操は構成されています。1つの体操は5回繰り返し行います。これを1ヶ月位続けていくと息切れ感が緩和し始めるようになります。
 ストレッチ体操は、早くやるよりも、きちんと伸ばすことが重要です。そのため、初めは練習が必要かもしれませんが、朝・昼・晩と継続してやることで効果が得られます。
 呼吸は、吸う方が1なら、吐く方はその2倍か3倍の長さが理想です。吐く方が長くなればなるほど効果は高くなりますが、長く吐く方が良いからといってぎりぎりまで無理をしては逆効果です。自分のできる範囲内でストレッチを行い、段々と呼吸を長くしていくことが大切です。
 また、体のやわらかさは、個人個人で違います。ですから、痛いのを我慢してやるのではなく、伸びているのが分かる、気持ち良いと感じる程度でとどめておくのがポイントです。
 6つの体操を通しで行うことがもちろん理想的ですが、体操はそれぞれ全身に関わるため、気に入ったストレッチを1つか2つ選んで継続的にやっていくだけでも効果的です。無理をして、頑張り過ぎると筋肉が伸びなくなってしまう上に、痛みを伴ってしまうことがあります。どうやっても痛みを感じる場合、1つの体操から始め、例えば、胸部がやわらかくなってから背中や体側の体操と1つずつ増やしていくと無理なく体操が行えます。



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