口腔機能とは 〜口腔機能の向上がコミュニケーションや味覚に関わる〜

 2000年から始まった介護保険制度は、認定を受けている人やその予備軍だった人の状態が悪化していることから、現在見直されています。来年度からは、介護度を重度化させずに、健康状態の改善を目指す「介護予防」を重視した新しいサービスが始まります。
 新しい介護保険制度で提供するサービスとして、筋力の向上・口腔機能の向上・栄養改善という3つが取り上げられることになりました。この「口腔機能」は、味わう・食べる・語らう・笑うなど、非常に広い範囲で捉えられています。単に口の中だけではなく、笑ったり、話したりする時に使う口の周りの筋肉や唇の周りの働きも含まれます。広い範囲で口腔機能を考えてみると、コミュニケーションに欠かせない機能だといえます。
 また、味わうということも舌の機能を使うため、もちろん口腔機能に入ります。舌の表面にある味蕾(みらい)細胞によって、辛い・苦い・すっぱいなどの味覚をキャッチしています。
 さらに、口の機能で忘れてならないのは唾液です。日本全国で調査すると口の中が乾きやすいなどの感覚を3人に1人位の割合で持っていることがわかりました。若い頃に比べると汁気のものを好むようになった、何か飲み物がないとパンなどが食べにくいなどの原因も唾液の減少にあります。特に入れ歯の人は、唾液の出が悪くなると入れ歯の接着力が落ちてしまいます。入れ歯がよく外れるのは唾液の分泌が悪くなって吸着力が落ちてきているという場合も考えられます。
 1日に1〜1.5リットル出ている唾液には、大事な働きがたくさんあるため、その量が減るとさまざまな支障が出ます。唾液は病的なことで量が減ることもありますが、一般的には口を動かしていればきちんと出てきます。そのため、規則正しく食事やおしゃべりするという時間がある場合、それ程心配する必要はありませんが、話す機会の少ない人は、自分で意識して口を動かすように努力しなくてはいけません。1人暮らしのお年寄りなどで1週間、誰とも話をしないという人は、唾液の出が悪くなってしまいます。
 また、年を取ると喉が渇いたということを感知する中枢が鈍くなり、水分不足になりがちです。夏場は汗で水分を出してしまうので、意識して水分補給をしていくことが大切です。
 唾液の成分の99%は水分ですが、残りのわずかな部分に有効な殺菌作用や抗癌作用が含まれています。私達が日常でいろいろものを食べても「がん」にならない理由に、唾液の作用も挙げられます。このように唾液は重要な働きをしており、唾液をしっかり出す機能も口腔機能の1つといえます。



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