「ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)」とは、1983年にオーストラリアのマーシャル医師によって発見された菌です。今ではピロリ菌について非常によく解明され、潰瘍や胃がんの原因になるということが分かってきています。
ピロリ菌への感染はだいたいが幼児期で、2歳から5歳までにほとんどの感染が形成されています。ピロリ菌は途中で感染することがないため、10代でピロリ菌が少なかった場合、その人はそれ以降ピロリ菌の数が多くなりません。しかし、ピロリ菌に感染していても特に症状がないため、2歳や3歳から感染している場合は、20代でもすでに20年間ピロリ菌に感染していることになってしまいます。長期間、胃の中で慢性的な刺激が起こっているため胃に良い状態ではありません。ピロリ菌が定着すると、多くの人が進行した「萎縮性胃炎」になってしまいます。
ピロリ菌に感染していない人は胃がんになりませんが、感染すると約3%の人が胃がんなるといわれています。
1994年にWHO(World Health Organization/世界保健機構)では、ピロリ菌は胃がんに至る多段階の過程の中で1つの要因として働いている、確実な発がん要因であると発表しています。日本では厚生労働省が潰瘍以外に対しては除菌を指針として出していませんが、ピロリ菌だけで発がんするという研究結果も出ています。
ピロリ菌が陽性の人と陰性の人を10年間、内視鏡で確認したところ、陽性の人から胃がんが多く検出されています。ピロリ菌がない場合、さまざまな他の遺伝的要因があってもまれにしか胃がんにはなりません。