骨粗しょう症になっている高齢者は、つまづいたり、転倒した時、背中・手首・肩・大腿骨の付け根(太ももの付け根)の4ヶ所が骨折しやすくなります。中でも、大腿骨頸部骨折は最も重篤な骨折で、手首や肩のように引っ張る、吊る、ギブスなどで治らないため、金属や人工物を入れる手術が必要となります。なぜ、大腿骨の付け根が骨折しやすいかといいますと、この近くの骨は海綿状になっていて、カルシウム量が少なく、斜めに走っているため、弱い部位なのです。そのため、膝をぶつけただけで折れてしまうこともあります。
1987年に全国で大腿骨頸部骨折の発生頻度が調査されたところ、男女合わせて5万3千人発症という結果が出ました。5年後の1992年には約7万7千人、10年後の1997年には9万2千人、2002年には約11万8千人と年と共に大腿骨頸部骨折患者は増えてきています。骨を強くし、骨粗しょう症を予防することも大事ですが、それだけでは骨折を減らすことができないため、「骨折をしない」ことに注目し直すことも大切です。特に「大腿骨の骨折をしない」ということがポイントとなります。
つまり、骨を強くすることは、骨折の危険を軽減するために大切ですが、それと共に「転ばない」ことも重要なのです。骨は20歳から40歳をピークにカルシウム量が徐々に減り、弱くなってきます。そのため、高齢者が転倒しますと骨折する危険性が高くなります。最近では、転倒予防が骨折数を半分にすることが分かってきています。