いくら運動などで努力をしていても筋肉が歳と共に細くなっていくのは、ある程度、仕方のないことですが、筋力の衰えは年齢のせいだけではありません。
寝たきりのシミュレーションとして、健康な20歳位の成人男性が3週間ベッドで寝たきりの生活をし、運動不足の究極の状態を作ると、体にどのような影響があるかを調べる「ベッドレストスタディー」を行いました。これは「不活動実験」ともいいますが、3週間ベッドに寝たままでいるとギブスをしている患部が細くなるのと同じように、ふくらはぎの筋肉は、見た目にも分かるほど細くなってしまいました。
さらに、このベッドレストの実験を2つのグループに分け、半分のグループは100%寝たきりの生活にし、もう半分のグループには、1日に10分、寝たままで太腿の前側の筋肉だけを鍛えるトレーニングをしてもらいました。その結果、運動をしていない太腿の後ろ側の筋肉は100%寝たきりのグループと同じように萎縮しましたが、10分だけトレーニングした太腿の前側の筋肉は、萎縮を防ぐことができました。この結果からも分かるように、年齢に関わらず筋肉は使わなければ萎縮していき、逆に、わずかな時間でも筋肉への刺激を与えれば萎縮を防ぐことができるということです。
身体の不活動は、1日で筋肉が0.5%減っていきます。筋肉には、正しく刺激を与えることが重要で、ただ体を動かしたり、何となく運動していては刺激を与えることになりません。短い時間でも正しい運動を効果的に行い、筋肉に刺激を与えることが萎縮や筋肉を細くすることを防ぎます。