うつ病以外のうつ状態 〜ホスト・ストレス・ストレッサーの関係〜

 うつ病以外のうつ状態には、ホスト(人間)・ストレス・ストレッサー(精神的な負担の原因)が大きく関わってきます。
結婚する・昇進する・家を新築する・家族が亡くなる・職を失うなど、さまざまなことがホストにとってはストレスとなります。悪いことに限らず、良いことであってもストレッサーとなる可能性はあり、特に、うつ病の人に多く見られる傾向でもあります。
ストレスとは、それを受けとめるホストと出来事によって生まれる、負荷のかかった状態です。そのストレスがどの位のものかを決めるのは、ストレッサーの内容や度合いだけではなく、ホスト側の受けとめ方や感じ方でも変わり、それがストレスを大きくしている可能性もあります。大切な人を亡くす、社会的な地位や経済的なものを失うことは悲しいことで、それは自然な感情です。その気分が自然か不自然かがポイントになります。
例えば、仕事で何十人もの中から誰かをリストラしなくてはいけないため、うつ状態になったという例があります。これは、自分がやりたくない仕事でも無理にしなくてはいけないため、うつ状態になったということです。落ち込む理由というのは、ホスト側が感じることですが、このように心理的に落ち込む理由がある場合もあります。
うつ病の場合も同じように、大切なものを失ったためにうつ病が発症するケースもあります。しかし、何の負担もないのに落ち込むような症状が出た時は不自然なうつ状態といえます。うつ病以外のうつ状態は、落ち込む理由があって落ち込んでいるもので、うつ病のうつ状態は、不自然なうつ状態といえます。
また、大き過ぎるストレッサーのために、誰もがうつ状態になるということがあります。大震災や戦争にいく、大きな事件に巻き込まれるなど、誰が経験しても同じような反応をする過酷なストレッサーにさらされた場合、気分がうつ状態になったり、不安になるのは自然です。この場合は、うつ状態ではなく、「心的外傷後ストレス障害(PTSD:posttraumatic stress disorders)」といいます。その他、ストレスを抱えた状態に適応していかなくてはいけないのに、今は適応できないという「適応障害」というものもあります。
どれもうつ状態にはなりますが、ホスト側の受けとめ方の歪みがストレスを大きくしているのか、ストレッサーが大き過ぎたのかによって、病気の診断やうつ状態がどのように発せられているかが変わってきます。
しかし、うつ状態の原因がうつ病か、うつ病以外か、ストレッサーか、ホストなのかという判断は、非常に難しいことです。医療者がその人の話を聞いてうつ状態を確認しても、その理由を見つけるのは難しいのが現状です。



‖ TOP ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖
‖  ‖  ‖  ‖ 10 ‖ 11 ‖ 12 ‖

株式会社保健同人社 Copyright(C)2004 HOKENDOHJINSYA Co.,Ltd