20〜30年前のうつ病の有病率は、200人に1人、全人口の0.4%といわれていました。しかし、最近では、日本やアメリカの有病率は15%にもなっているといわれています。これは、一部のうつ状態の人もうつ病と呼んでいるケースも含まれていますが、非常に多くの人が抱える病気になったといえます。
先程述べたように、うつ病はうつ状態が始まった頃は軽くても時間と共に症状が重くなってきます。これは、元気のない日があって、翌日は元気になっていたという短い期間ではなく、基本的にジワジワと症状が悪化していきます。そのため、最初は「何か変だ」と思いながらも頑張れば今までと同じ生活ができてしまいます。その後、ピークを迎えるまでどんどん症状が悪くなり、自分の症状が悪化したことでさらに落ち込んだり、いろいろなことができなくなったりしていきます。それから、ピークを越えてしまうと治療をしなくても症状が自然に良くなっていきます。このような経過を数ヶ月から1年〜2年かけてうつ病は進んでいきます。うつ病が良くなり、普通の自分に戻る時、勢いがついて普段の自分よりも元気になってしまうことがあります。この元気になり過ぎてしまう状態を「躁(そう)状態」と呼びます。
うつ病の3割〜5割位の人が死にたくなる、自分から死なないまでも「死んでしまえれば良いのに…」、「事故に合えば良いのに…」といったことを考えてしまいます。また、うつ病の人の内、5〜10%程の人は実際に死ぬような行動をとるといわれ、自殺はうつ病の死因の1位に挙げられます。そのため、治療中は自殺をしない、自殺をさせないということが非常に重要な課題になります。