診療で一番大切なものは情報提供で、患者が最も悩んでいることを知り、解決していくことが重要です。例えば、舌が痛くて癌ではないかと心配で病院を受診しても、「癌ではない」という診断だけで終わってしまうケースもあるようです。しかし、患者は癌ではないのなら、この痛みの原因は何かということを知り、痛みを解消したいと思っています。
ドライマウスで痛い場合、ほとんどの原因は、乾燥からくる肌荒れのようなものです。食事をしている時などは痛みを感じることがなく、安静時の方が痛みを感じています。1日中ヒリヒリとした痛みを感じているのに、食事の時は平気というのは、唾液の量の多さによるものです。先程述べたように、食事中は食べ物を噛んでいるため、唾液がたっぷりと出ます。そのため、口の中が潤い、痛みが和らぎますが、食事が終わると唾液量が少なくなり、潤いがキープできなくなるため、また痛み出してきます。
また、口の中がいつも腫れぼったい感じがするという人もいますが、歯槽膿漏や炎症で口の中が腫れている場合は、口の中を診ただけで分かります。しかし、腫れているという所見がないのにも関わらず、そのような感覚を持っていたため問診を行ったところ、この人も食事中は腫れている感じはないとのことでした。これも、安静時に唾液の量が減り、歯茎と頬がくっ付くことで違和感を持っていたというケースです。この場合、歯茎と頬の間に保湿ジェルのようなものをつけることで解消できます。
このように、1つひとつの痛みの原因をはっきりさせ、適切な対処をしていくことが大切で、それが症状の改善に繋がります。患者の不安を取り除くためにも、症状の原因をはっきりさせ、理解してもらった上でケアしていくことがポイントです。