「アルツハイマー型認知症」は、脳の神経細胞に、アミロイドβタンパクという物質が蓄積して起こります。これはもともと誰の脳内にもある物質ですが、40歳を超えた辺りから、徐々に増え始めます。
「アルツハイマー型認知症」の初期には、エピソード記憶力の低下が観察されます。いつ・どこで・誰に会ったかなど最近の出来事が思い出せなくなります。例えば、子育て中の記憶など、昔のことはとてもよく覚えているのに、ついさっき車を駐車した場所がどこであったのかわからなくなってしまうといったことが起こりやすくなります。
また、実行機能の中の「注意分割機能」という、2つ、3つのことを同時にこなす能力が落ちてきます。例えば、ヤカンを火にかけながら、鍋でおかずを作り、お米を炊いている時など。ふいに友人が来て話している間に、ヤカンや鍋を焦がしてしまう、といったことが起こりやすくなります。
さらに、行動を計画して実行するという「計画遂行機能」も衰えてきます。そのため、例えば、調理はできるけれども時間がかかる。冷蔵庫の中身をチェックして買い物に行き、献立を考え、計画的に調理するなどがテキパキできなくなってきます。家事はいろいろと順序だてて計画し頭を使う仕事です。家事を続けていると脳のトレーニングに繋がります。
「アルツハイマー型認知症」を予防する運動は、まだ良く分かっていませんが、なりかけの時に、落ち始めてくる機能を生活の中で集中的に使っていくと予防になるのではないかと考えられています。アクティブな日常生活を送ること、地域や家庭の中で役割を持つことなどがアルツハイマー型認知症の予防になるといわれています。さらに、アルツハイマー型認知症になりかけの時落ちてくる機能は、脳の「前頭葉」が関係しています。そのため、前頭葉の血流量を上げるような運動が効果的なのではないかとも推測されています。これもまだ研究中ですが、計算や音読、速歩(元気ウォーキング)などが良いようです。