高齢者に多い「うつ」 〜ストレスに対する自然な状態ではなく、治療すべき症状〜

 最近では脳の働きやそのメカニズムの研究が進み、「うつ病」に関する知識も深まってきています。さまざまなデータを基にした診断や新しい治療法なども開発されてきています。
「うつ病」は、高齢者によく見られる状態ですが、高齢者のうつ病は見逃されてしまうケースが多く、適切な治療を受けていない患者も少なくありません。身体的・精神的なストレスに対する自然な反応として捉えられることが多く、病的な問題はないと考えられがちです。
まず、高齢者の「うつ」は、老化に伴う当然の状態ではなく、治療の対象となる「病気」であると認識する必要があります。
高齢者でうつ病と診断されている患者は、約1〜3%。しかし、うつ病と診断されていなくても「うつ状態」にある人は15%にも上ります。外来患者ではさらに割合が増え、急性期病院に入院中の患者はそれ以上、長期入院中の老年期患者に至っては、うつ状態が30〜40%、はっきりとうつ病と診断されている患者は12〜16%と通常の3倍から4倍近くにもなります。
老年期のうつ病を早期に発見し、治療を行わないとQOL(Quality Of Life:生活の質)の高い生活を送ることができなくなってしまいます。



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