精神療法 〜医師だけでなく、関わる人すべてが精神療法を理解することが重要〜

 高齢者のうつ病は、うつ状態と共に強い不安を感じています。最近では、不安と抑うつが混在する症例が増えてきています。うつ病の初期には薬物療法が優先されますが、このような状態には、精神状態をカバーする「精神療法」が重要視され、薬物療法と精神療法の両方が必要になってきます。
「精神療法」には、精神分析や認知行動療法、対人関係療法、森田療法、生物学的理解に基づいた精神療法などがあります。それぞれの治療法よりも、治療する人のパーソナリティが大切な療法です。
精神療法は、“あなたはここがいけない”と指摘するのではなく、会話の中で患者自身が問題点に気付くように促し、それをサポートしていくものです。患者を支え、温かく導く態度・優しく、冷静に自信を持って励ます態度が大切で、誠実で包容力のあることが求められます。しかし、患者の感情に一緒に揺れ動いていては精神療法にならないため、一定の心理的距離を持つ必要があります。
精神療法的な支えは、精神科医だけのものではありません。精神的な支えができるのは、両親や兄弟、配偶者、学校の先生、看護師など、誰であっても構いません。医師だけが行う療法ではないため、患者に関わる人、支える人たち全員が「精神療法」を正しく理解しておくことがポイントになります。また、薬のように効果が証明されているものと違い、確実に効いたというエビデンス(証拠)が備わっていません。そういう療法だということを知った上で、有効であると理解してください。
患者は、現在の自分について「これで良いのか」と悩みを持っているケースがあります。それに対し、過去のことは過去のこととして“今のあなたはこれで良い”ということを理解させることが最も重要です。無理をするのではなく、あるがままの状態で達成感を求めていけば良いと気付かせることが効果的な治療といえます。



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