まとめ 〜うつ病は心と脳の病気であることを理解し、心身の健康を保つことが大切〜

 「うつ病」は脳の病気であって、決してまれな病気ではありません。身体の問題やストレスなど心の問題が原因で起こるものです。そのため、うつ病の治療は、心と体の両方の治療が大事になります。
今まで述べてきたように、「慢性疾患」と「うつ病」にはさまざまな関連があり、生活習慣病などの慢性疾患にかかると、身体的活動が減少する傾向があります。そのため、家にこもることが増え、対人関係が減って孤立してしまいます。この孤立した状態が、「うつ」の心理を広げる原因となります。裏を返せば、慢性疾患の治療が、うつ病の予防や治療に繋がるといえるのです。
また、欧米のうつ病指導者は、老年期でも自分でできる間は車の運転なども行うように指導していきます。行動を制限されることは、強いストレスになり、精神状態を「うつ状態」に向かわせてしまいます。日本では安全のため、高齢者の免許返却などの指導もありますが、できるだけ自分の日常行動を狭めず、今まで通りの生活をしていくことがうつ病の予防になっていきます。
繰り返しになりますが、脳の働きと栄養は密接な関係にあるため、食事は非常に重要です。痩せ過ぎは情緒不安定の原因にもなるため、食事を控えるのではなく、バランスの良い食事内容を心がけ、脳を活性化する糖分なども摂取していきましょう。
最後になりますが、うつ病は心の病気であると同時に、脳の病気でもあります。セロトニンを活性化する代替療法やサプリメントなども予防や軽度の症状には有効ですが、ある程度まで症状が進んでしまうと薬物療法も外せなくなります。薬物療法を行いながら、心に抱える悩みやストレスを和らげる精神療法も取り入れていけば、より質の高い治療法となります。病気や治療のメカニズムを医師だけでなく、患者や携わる人がしっかりと理解することが治療のポイントです。うつ病の早期発見、適切な治療・対応が、高齢期のQOLを高めることになっていきます。



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