高齢者の場合、いろいろな病気を抱えている人が多く、さまざまな薬を服用しています。消炎鎮痛剤、抗菌薬、降圧剤、中枢神経作用剤、ホルモン剤、抗がん剤などは副作用でうつ病を起こしやすいものも含まれているため、薬剤起因性のうつ病に注意し、それらを必ず除外してから治療を行うことが大切です。
また、診断時に注意すべき症状として、「パーキンソン症状」があります。これは衰退外路系症状で、脳の神経伝達機構の中でもうつ病と密接な関係を持つ神経伝達物質の「ドーパミン機能の低下」と関係があります。パーキンソン症状があるとうつ病の頻度は非常に高くなるため、注意が必要です。
さらに、認知症や脳の血管障害、心筋梗塞、聴力の障害などは、刺激遮断の状態が起こり、うつ病を発症しやすくなります。そのため、これらの病気を持つ患者には、うつ病の有無に気をつけることが大切です。逆に、うつ病の場合にも、このような身体症状があるかを確認することが重要になります。