現代人の腸 〜腸内環境が悪化し、大腸癌は男女共に増加している〜

 現代人の腸内環境は悪化しているといわれ、平成10年の国民生活基礎調査の結果で、「便秘」について調べたところ、20代・30代の女性に多く、男性は定年を迎える60歳を超えると急増していることが分かりました。
統計を見ても1960年代から日本では少なかった「大腸癌」が増え、今では女性の癌死亡率の1位、男性では4位となっています。残念ながら、大腸癌の原因はまだはっきりとは分かっていませんが、脂肪とタンパク質の摂取量が原因として挙げられ、特に、動物性脂肪が良くないのではないかと考えられています。
1960年代以降、日本人の食事は変化し、米や果物、食物繊維の摂取量が減り、動物性脂肪を多く摂るようになりました。また、乳製品は健康に大変良い食品ですが、植物性乳酸菌よりもヨーグルトなどの動物性乳酸菌の摂取が増えてきました。これらが腸内環境を大きく変化させ、大腸の病気を増やしたのではないかといわれています。しかし、30年前の平均寿命と比べると、現在の方がはるかに長くなり、肉や乳製品の摂取が悪いとはいい切れません。健康のためには、バランスの良い食事が重要です。
大腸癌だけでなく、腸の粘膜がただれ、炎症を起こす「潰瘍性大腸炎」が若い人や60代の人を中心に増えています。これも食生活との関連が考えられ、1980年頃から急増し、現在では年間約10万人が登録者となっています。
最近では、腸内に大きな癌ができていても、手術で切除できるケースも多くなっています。また、早期の大腸癌であれば、内視鏡検査で粘膜切除を行い、体に負担をかけずに除去することも可能です。万一、腸や排便に気になる点や症状がある場合、早目に内視鏡検査を受けることが腸の病気の早期発見に繋がります。



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