老年期痴呆症状で、最もはっきりしているのは、中核症状と呼ばれる「知的能力の障害」で、いわゆる物忘れが中心となる「記憶障害」や「見当識障害」です。知的機能低下障害が起こるため、覚えたものをすぐに忘れておかしな言動をする、見当がつかない、計算ができないといった症状が出てくるため、これらはアルツハイマー型痴呆の診断基準となります。
しかし、痴呆の症状はこれだけでなく、うつ状態・やる気がない・徘徊・いらいらするといった「周辺症状」も現れます。現在では、老年期痴呆の症状を治す薬が出ています。これは海外でも使われている薬ですが、多少ブレーキをかける程度のもので、状態は元には戻りません。なぜなら、多少の予防ができても、血管性痴呆やアルツハイマー型痴呆は、全て「老化」が原因となっているからです。とはいえ、家族や介護をする人にとって、計算ができなくても、うつ状態やいらいらした症状は大きな問題です。痴呆症自体が治らなくても、うつ状態にはうつ病の薬があり、イライラした状態には安定薬があります。医師などに相談し、症状を和らげることが患者にも、介護する側にも有効な手段となります。
老年期痴呆症は、もちろん人によって症状がまちまちで、全ての症状が1人の認知症患者に出るわけではありません。痴呆症の中心となる知的機能低下は治すことはできないため、予防していくことが大事になります。