植物状態 〜近代医学の発達で

 現在では、近代医学の発達により、「閉じようとしている命を閉じさせない」という歪んだ状況が起こっています。脳の破損により意識がなく、寝たきりになっていても、生きていくために必要な脳の脳幹などがしっかりと保たれていれば「植物状態」という状態で生き続けることができます。この植物状態とは、脳が広範に渡って障害を受けていても、脳幹の機能や呼吸循環機能の調整、生命維持に必要な働きをする部分が残っていれば、自分で呼吸や血圧の調整ができている状態です。植物状態のまま、飲んだり、食べたりしなければ、約2週間で亡くなってしまいますが、中心静脈栄養という、水分・タンパク質・ビタミンなどが入った高カロリーな点滴などによって生き続けることが可能です。
しかし、これらの治療法は、鼻や口、体のあちこちに点滴の管が入れられるため、「スパゲティ症候群」とも呼ばれています。自分で歩けない、食事ができない、目で物を追っても認識ができない、簡単な命令に反応してもそれ以上の意思の疎通ができないといった状態が続きます。わずかな期間であれば良いですが、3か月、6か月、1年、2年と長引いていくと、患者本人が苦しんでいるかどうか分からない状況になってしまいます。このような状態で生きることが、本当に良いことなのかは非常に難しい問題で、いろいろな方面で議論が続けられています。



‖ TOP ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖
‖  ‖  ‖  ‖ 10 ‖ 11 ‖ 12 ‖ 13 ‖ 14 ‖

株式会社保健同人社 Copyright(C)2004 HOKENDOHJINSYA Co.,Ltd