「尊厳死」は、1981年、世界医師会協会総会において、リスボン宣言という形で採択されています。これは国際的に同意されたもので、"患者は最新の医学知識に基づき、苦痛の除去を受ける権利を有する。患者は人間的な終末期ケアを受ける権利を有し、またできる限りの尊厳を保ち、かつ、安楽に死を迎えるためのあらゆる可能な助力を与えられる権利を有する。"と宣言されています。これが今の患者が持つ尊厳死の権利となっています。
また、患者本人の意思によってスパゲティ症候群のような延命を拒否し、安らかで自然な死を迎えることを宣言する「リビングウイル」というものがあります。これは、尊厳死を希望する遺言書です。自分でどのような治療をして欲しいかを伝えておくもので、万が一、治療内容を判断することができない状態に陥っていても、これが提出されていれば、書面に従って治療方針を決めていくことができます。
このリビングウイルが提出されているからといって、亡くなるまで何の処置も受けずにいるわけではありません。身体的・精神的に痛みがあればその痛みを取り除き、急性の変化があれば、そのための治療が行われます。リビングウイルとは、必要な対応だけを受けながら最後を安楽に迎えたい、そのための努力をして欲しいということを伝える遺言書です。