日本で亡くなる人達が、どこで亡くなっているかを調べた結果、主に病院か自宅であることが分かりました。昭和25年、26年頃(1950年〜1951年)は、約80%が自宅で亡くなり、病院で亡くなる人は10%程度でした。ところが、昭和51年頃(1976年)からはそれが逆転し、今では約80%が病院で亡くなり、在宅で亡くなった方は20%未満という結果になっています。この数字は欧米と比べても非常に低い数字で、欧米では30%〜40%が在宅で亡くなっているようです。
また、現在病気ではない人でも、自宅で最期を迎えたいと考える人が多く、「末期ガンなどを患い、終末期医療を受ける場合、どのような場所が理想か」という質問に、33.8%が自宅を挙げています。患者の場合では、26%が自宅、33%がホスピス・緩和ケアを望んでいます。
このように、最期を迎える場所として「家」を希望している人が多いにもかかわらず、実際には家で亡くなる人が少ないという結果を受け、在宅で看取れるような環境を作るため、平成18年(2006年)に国が「在宅医療」を新興し、在宅医療・在宅ケアを進めていくという目標を揚げています。高齢者ができる限り住み慣れた家や地域で療養し、身近な人に囲まれて最後を迎えることも選択できるように、診療報酬上の制度としての「在宅療養支援診療所」が設けられました。在宅療養支援診療所とは、平成18年の医療法改正で新設されたもので、24時間体制で往診や訪問看護を実施していく診療所です。後方ベッドや入院ベッドを持つ医療機関と提携する、患者の状態が変化したら24時間体制でチームワーク・ネットワークを使って対応できるようにしておくなど、いくつかの規定が設けられています。現在では、およそ1万箇所を超える在宅療養支援診療所ができています。