パンデミック期の対策 〜正しい情報を確認し、いかなるタイプにも対応できる準備が不可欠〜

 新型インフルエンザへの対策は、未知のウイルスに対する準備のため、過去の経験や推測だけでは難しいものです。いろいろな社会的考えや行政の仕組みなどもあります。また100%安全、大丈夫ということはありえないことです。また医学的に正しいと言って、すべてを実行できるものではありません。たとえば、全国民分のワクチンが常にあり、全国民分の薬がある。国民の誰がどこでいちどきに病気になっても、入院できるだけのベッドとスタッフを揃えておくということは理想的ですが、それは不可能なことです。しかし、不可能だからといって何もしないのではなく、少しでも対応できることを増やし、備えていくことが大切です。
新型インフルエンザなどが発生すると世の中が騒然とし、いろいろな報道がなされ、多くの人が混乱するでしょう。一般の方すべてに冷静な対応を求め、パニックを起こさないと言うことは、これもあり得ないことだと思います。しかし、重要な点は、そのような時にあり決断をする、政治や行政に携わる人、患者さんに直面する医療関係者、人々に状況を伝えるメディアなどがその時わけもわからずパニックになってしまったのでは、本当のパニックになってしまいます。それを避けるため、あらかじめの知識、準備が必要であると思います。
最近では、新型インフルエンザの危険性が、さまざまなところで取り上げられています。認知されることは大事でとてもよいことですが、一方新型インフルエンザへの心配がブームのように過熱し、一気に熱が冷めて忘れかけた頃に発生する、これはそれこそ最悪のシナリオです。一時的に過剰反応するのではなく、今シーズン何も起きなくても長い目で見て、準備・対策を日々、順番にしていく必要があります。
日本を含む都市型の国が考えている実際のパンデミックのパターンは、都市部で動物社会のウイルスがヒト社会に入り込む様なことは考えにくく、ヒトも動物もごちゃごちゃと一緒に暮らし、なおかつ医療の行き届かない様なところでいつの間にか発生し、気がつかないうちに都市部にも広がって、そこから大都市、そして国際間へといくのではないかと予測しています。
パンデミックの期間は、少し幅を持って2ヶ月前後と考えられています。しかし、これも仮定のため、最初から大流行するのか、徐々に広まった後、大流行していくのかは分かりません。これまでにもいろいろなパターンがありました。初期段階から大流行する可能性も考慮した備えが不可欠です。
先程述べたように、普通のインフルエンザは小児に感染者数に多く、亡くなるリスクは高齢者に高いものですが、鳥インフルエンザH5N1の感染では、若者から小児にかけて感染者も重症者も多くなっています。過去のパンデミックでは、スペイン型インフルエンザでは子供や高齢者に加え、若い人達が大勢犠牲になっています。インフルエンザは年齢にかかわらず、気をつけなくてはいけない病気であるといえます。



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