犠牲者を少なくするための対策 〜アメリカのセントルイスに学ぶソーシャルディスタンシングの重要性〜

 感染症の多くはヒトからヒトへとうつります。多くの人が集まる通勤ラッシュ・催し物会場・空港・学校などは、最も感染症が広がりやすい場所です。
まだ薬やワクチンもなかった、医療も今とは格段の差があった1918年に起きたスペイン型インフルエンザは、アメリカの都市では、対応によって死亡率に変化が見られたという記録があります。フィラデルフィア・ピッツバーグ・セントルイスの3つの都市がその例として表されています。でまず、フィラデルフィアでは第一次世界大戦の戦意高揚のための大きなパレードの計画があったため、それを強行した結果、スペイン型インフルエンザが拡大し、それによる死亡者も増えてしまいました。ところが、ピッツバーグでは死亡者が増え始めた段階で劇場・サロンを閉鎖し、スポーツ大会の延期、教会の閉鎖などを段階的に行いました。しかし、徐々に死亡者が増えてしまったため、今度は学校や図書館など人を閉鎖したところ、結果敵には被害をフィラデルフィアよりも抑えることができました。セントルイスでは、インフルエンザ患者の最初の死亡者が発生したとの報告を受け、市長が劇場・映画館・学校・プール・ビリヤードホール・日曜学校・キャバレー・ロッジ・社会的集まり・お葬式・戸外での集会・ダンスホール・学会などをいちどきに閉鎖しました。恐らくは市民は非常に不便なまた不満な生活を送ったと思われますが、1ヶ月後の制限解除時に多少の死亡率アップがあったものの、フィラデルフィアやピッツバーグよりも死亡率が低く、多くの人が通常の生活に戻れました。
これは、先程述べたように、生活が多少不便になってもソーシャルディスタンシングで社会的距離を空け、被害を小さくできた例です。犠牲者を少なくするためにも、いろいろな対策を組み合わせるようにしていかなくてはいけません。



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