「そうは言っても新型インフルエンザなど来ないのではないか」という質問も多く頂きます。しかし、インフルエンザという病気がよく分らなかった時代1800年代にも、悪性のかぜが数十年おきに大流行し、多数の人々が悩み苦しんだという記録があります。
20世紀には3回のパンデミックが経験されています。1918年には「スペイン型インフルエンザ」が発生し、世界中で2000〜4000万人が亡くなり、日本でも約39万人が亡くなったという記録もあります。1918年に発生した新型インフルエンザは、その時は新型インフルエンザであっても、皆がそのインフルエンザに罹ると徐々に免疫ができ、やがて普通のインフルエンザとして流行が続きます。
1918年のスペイン型インフルエンザは39年続き、また動物社会から新しいインフルエンザが入り込み、1957年には「アジア型インフルエンザ」が発生しました。これは死亡数ということで言えばインパクとはかなり低かったのですが、それでも全世界で約200万人位が亡くなりました。このアジア型インフルエンザは約11年間、普通のインフルエンザとして流行が続きました。そして、1968年に再び動物社会から新たなインフルエンザウイルスが入り込み、「香港型インフルエンザ」と名付けられました。これが今、細かいウイルスの変化を続けながら普段のインフルエンザとして現在まで続いています。
私達は香港型インフルエンザの登場後この40年間、新しいインフルエンザを経験していません。しかし、歴史的なこれまでの様子、そして生物界におけるウイルスの動きなどから、「新型インフルエンザが来ない」とする根拠はどこにもありません。一度新たなインフルエンザが発生すると、少なからず健康被害および社会の混乱は生じているので、それに対する備えを行い、被害を少なくするための努力が必要です。