加齢黄斑変性の罹患率調査 〜進む高齢化社会で加齢黄斑変性患者はさらに増加する〜

 福岡県の衛生都市である久山町では、1961年より40歳以上の住民を対象に高血圧や心臓病などを調査する「久山町研究」が九州大学によって行われています。この久山町は、人口が約8000人で、37uほどの小さな町ですが、年齢構成、職業構成、栄養摂取状況などが全国平均と非常に一致しているため、平均的な日本人の集団だといえます。そのため、久山町の調査結果は、日本全土の状態と置き換え、研究が行われます。1998年、2007年には、眼科の検査が加わり、50歳以上の人の内、どれ位の人が加齢黄斑変性になるかが調べられました。その結果、久山町の50歳以上の人に加齢黄斑変性の前駆症状のある人は13.6%でした。加齢黄斑変性に罹っている人は0.87%で、その内、0.67%の人が滲出型の加齢黄斑変性という結果でした。
また、肌の白い人達は肌の黒い人達よりも滲出型加齢黄斑変性になりやすいといわれています。オランダでは、55歳以上の1.1%、西インド諸島のバルバトスでは40歳以上の0.57%が加齢黄斑変性に罹かると考えられています。日本人は肌の色が中間色のため、0.67%程が罹るのではないかと考えられます。これを人口に換算すると、日本の50歳以上の人口が約5000万人だった2001年の検査では、加齢黄斑変性症の前段階の人は678万人にも上ります。0.67%の罹患率を換算すると約33万人の加齢黄斑変性の患者がいることになります。老齢化が進む社会では、予備軍を含めた患者数がさらに増えることが予測できます。
さらに、5年間の加齢黄斑変性の発症率に関する調査では、オーストラリアのブルーマウンテンで滲出型の前駆症状がある人の内、1.1%が5年後に加齢黄斑変性を発症しています。アメリカのビーバーダムでは0.9%、日本では0.6%が5年後に発症しています。加齢黄斑変性を発症する患者の数は、日本も徐々に欧米並みになってきているといえます。男女比を見ると、外国では女性の患者が多いのに対し、日本人は女性よりも男性の方がはるかに患者数が多い傾向があります。



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