まとめ 〜心身のQOLを保つためにも、定期的な健診と予防が大切〜

 「加齢黄斑変性」では、視野の中央が歪んで見える、中心が暗く見える、視力が下がるといった自覚症状が起こります。また、前段階として、眼底検査で大きいドルーゼンや色ムラがある場合は注意すべきです。もし、全段階の症状がある場合、自分で毎日1回は歪みがないかを検査し、歪んでいた場合には眼科を受診することが大事です。新生血管が中心窩外の場合、日常生活では気付かないこともあります。そのため、50歳を過ぎたら自覚症状がなくても定期的に眼科を受診し、検診を受けるようにしましょう。
加齢黄斑変性の自己チェック方法は、アムスラムチャートと呼ばれる格子状の表の中央にある黒い点を片眼ずつ見つめ、見え方に異常があるかをチェックします。異常があっても、もう片方の目が補って異常を感じにくくするケースもあるため、片眼ずつチェックすることが大事です。検査用のシートがなくても、障子の桟やお風呂のタイルなど碁盤の目になっている物を片眼ずつ見て、まっすぐのラインが歪まずに見えているかでも検査できます。中には碁をしていた時に碁盤が歪んで見えた、お風呂に入ったらタイルが歪んで見えたということで異常に気付く例もあります。
視覚関連のQOL(Quality of Life:生活の質)を眼に病気のない視力のよい人・白内障の人・緑内障の人・加齢黄斑変性の人に分け、見え方・近視・遠見・眼痛・周辺・社会・自立・役割制限・心の健康の9項目で、総合得点を100点とした調査を行いました。その結果、正常の人の場合、それぞれの得点が悪くても70点位を維持し、100点にほぼ近い得点が得られました。しかし、加齢黄斑変性の人は眼痛を除く全ての項目で、群を抜いて低い得点だという結果が出ています。これは、遠くの物も近くの物も良く見えないため、活動が制限されることが原因のようです。このまま症状が悪化し、失明してしまうのではないかと不安を抱え、心の健康も損なわれていました。
最後になりますが、視力の低下や失明の恐れもある「加齢黄斑変性」は、生活にかかわる大きな病気です。今では光線力学療法や抗血管新生薬などの治療法も加わり、悲観するばかりではなくなっています。禁煙や日頃からサングラスなどで日光から目を守る、食生活に気を付け、不足した栄養素はサプリメントから積極的に摂取するといった予防に努め、早期発見、早期治療を行うことがQOLを高く保つ秘訣です。



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