加齢黄斑変性は、病気にかかる前に前駆病変という前段階の所見があります。網膜色素上皮と呼ばれる網膜の奥にドルーゼンと呼ばれる白い垢のような白色斑や色ムラ、脱色素、色素沈着がある人は、加齢黄斑変性になりやすいということが分かっています。
若い頃の網膜は、不要な物質を自分で消化するためカスが残りません。しかし、歳をとると不要な物質を消化する能力が落ち、未消化物が黄斑に溜まっていきます。これがドルーゼンという白い垢のように見える物です。特に中型、大型のドルーゼンがある場合、加齢黄斑変性になりやすく、要注意と考えられています。また、色ムラや色素沈着の中には、「老化色素」と呼ばれるものが含まれています。この老化色素が刺激して、新生血管が生えるのではないかと考えられています。
片眼の黄斑の中心辺りに新生血管があった場合、反対側の目にも新生血管が生える割合を調べたアメリカのデータがあります。その結果、大型ドルーゼンがあった場合は、ない場合に比べオッズ比では2.5倍、色素沈着があった場合では2.4倍、加齢黄斑変性になりやすいことが分かりました。また、大型ドルーゼンと色素沈着の両方があると、5年間で新生血管が生える割合が58%なのに対し、どちらもなければ10%という結果も出ています。この結果からも分かるように、前段階の症状は非常に重要なポイントです。
しかし、前段階の所見があっても、ほとんどの場合、自覚症状がありません。ドルーゼンや色ムラがあっても網膜の機能は働くため、「少し歪んで見えるかな」という程度で、視力も良い状態です。ですから、50歳を過ぎたら必ず眼底検査を受け、前駆病変がないかを知っておくことは大事です。前駆病変があれば、定期的に検査を受ける必要があります。