重要な筋のポンプ作用 〜動かさないと筋肉の柔軟性が低下し、血液循環が悪くなる〜

 筋肉が硬くなり、筋の短縮・固縮が起こると筋肉の柔軟性は低下し、関節が動きにくくなります。そのため、しばらく椅子に座っていた状態から立ち上がったときや足を組むといった動作時に硬さを感じることがあります。また、腕をずっと下ろしたままで日常生活を過ごしていれば肩の筋肉が弱まってしまいますから、意識的に腕を肩より上に動かすような動作を行って肩の老化を防ぐひつようがあるのです。このように関節を動かすときに違和感や痛みを感じるのは、筋肉の可動域が狭くなっている状態が推察されます。この可動域の減少が起こると、関節が拘縮し、筋肉が伸び縮みする能力が低下しているため、関節そのものが曲がりにくくなります。筋肉が伸び縮みしなくなると血液の循環が悪くなり「筋のポンプ作用」が機能しなくなります。
「筋のポンプ作用」という機能をあらためて説明します。例えば、筋肉と筋肉の間には静脈があります。静脈には血液を心臓に戻すパイプとしての役割があるため、心臓に戻す血液を逆流させないための弁があります。この弁が閉じた状態で長時間座っていると血液の循環が悪くなり、静脈内に疲労物質などが溜まり、足が浮腫む、太腿が張る、ふくらはぎが張るといった現象が起こります。このような状態は静脈が膨張し、内側から筋肉が押されているため、違和感や痛み、疲れを感じます。同じ姿勢を保ち、筋肉が硬く萎縮した状態では、筋肉が静脈を圧迫し続け悪循環が起こってしまいます。
このように血流が悪くなった時、ストレッチによって筋肉を動かすと、静脈が筋肉によってマッサージされるため、血流が良くなります。これが「筋のポンプ作用」と呼ばれる機能です。しかし、筋のポンプ作用が機能していない状況で、例えば、血液の塊である血栓のある人が、急に体を動かすと、血液が一気に流れ、心臓や脳で詰まる危険性もあるため、注意が必要です。最近、耳にするようになった「エコノミークラス症候群」がその良い例です。ですから、座っている時でもつま先を伸ばす・引くといったふくらはぎのストレッチを行い、筋のポンプ作用を不能にさせないことが非常に大事なのです。
筋のポンプ作用が不能になり、血液の流れが悪くなると筋肉の温度が下がります。筋温が下がるとさらに筋肉は硬くなり、この悪循環から抜け出せず、足が冷えやすくなってしまいます。このような悪循環を断つ手段として「ストレッチング」は有効な手段です。
血液の循環が滞り、静脈内の圧力がどんどん高まり、筋組織を内側から圧迫すると張りや痛みが出やすくなります。このような状態ではスムーズな動きができなくなり、わずかな段差やちょっとしたことでも体のバランスを崩し、思わぬ怪我に繋がることがあります。日頃の痛みや疲れ、怪我を予防するためにも積極的なストレッチングで改善していくことが大切です。



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