心筋梗塞の治療と予後 〜最先端の治療を受けても2年後には3分の1の患者が亡くなっている〜

 血管を形成する技術は画期的なもので、心臓の血管の狭くなった部分をカテーテルで広げる手術は、1977年にスイスの医師が臨床導入され、80年代にはバルーンを使って血管を押し広げる手術が世界中に広がりました。90年代には、バルーンで広げた血管が再び狭くならないように、ステントと呼ばれる金網を血管壁に押しつける技術が登場し、さらに最近ではそのステントに薬を塗り、動脈硬化が進まないようにすることもできるようになっています。
心筋梗塞を発症し、バルーンを使用した治療の予後を約2年間経過観察しました。その結果、糖尿病ではない心筋梗塞患者は、1995年よりも2003年の方が、経皮的冠動脈インターベンション技術によって死亡率が減少しています。
とはいえ、心筋梗塞は死亡率が高く、発症すると2年後には約3分の1が亡くなっています。経皮的冠動脈インターベンションの技術が進歩し救命することができても、予後は改善されていないという事実があります。さらに、心筋梗塞を起こした糖尿病患者に至っては、医療技術が進歩しても結果は以前とほとんど変わっていません。
先程述べたように、心臓は再生しないため、心筋梗塞を発症すると治ることはありません。また、最先端の治療を受けても長期予後に関しては、まだ画期的な改善には至っていません。そのため、どのようなことが心筋梗塞の危険因子になるかを考え、心筋梗塞にならないことが非常に大事です。動脈硬化が進行しないようにする、心筋梗塞の前触れ症状があれば早目に治療をするといった「予防」がいかに大切であるかを理解し、万が一、心筋梗塞を起こしてしまったら2度と繰り返さないということが重要です。



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