ケース2 〜不整脈が引き金となり、脳血栓塞栓症を起こしたケース〜

 外来などでよく見られるシチュエーションを例に、脳血栓を考えてみます。
ある55歳の男性が、日曜日にソファーに座ってテレビを見ていました。そうすると、突然、動悸が始まり、脈を見ると脈も乱れていました。30分程度で自然に治まりましたが、翌日、病院で心電図を撮影してもらいました。発作時に心電図を撮影したわけではないため、特に異常がなくその日はそのまま帰りました。その後も時々、動悸がしましたが、いつも30分か1時間で治まるため、意識せずに放置していました。それから5年後の60歳の健康診断で不整脈があると指摘されました。ところが、この頃には不整脈にもすっかり慣れ、精密検査を受けず放置していました。2年後の62歳の時、部下の結婚披露宴でお酒を飲んで談笑していたところ、突然ろれつが回らなくなり、椅子から転げ落ち、気づいたら失禁していました。立とうと思っても立ち上がれず、右半身が全く動かなくなっていました。
このような状況は、外来を受診したり、病院に運ばれてくる患者によくあるケースで、心房細動という不整脈が引き金となり脳の血管が詰まる「脳血栓塞栓症」という病態です。



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