心房細動の治療 〜心房細動は不整脈の治療と脳梗塞の予防が重要なポイント〜

 発作性心房細動や慢性心房細動の治療で重要なことは、「不整脈の治療」と「脳梗塞の予防」です。不整脈の治療は発作性心房細動の時点で抑えることが大切で、自覚症状や不整脈の程度によって治療にも選択の余地が出てきます。不整脈は抗不整脈薬を内服しての予防や、心房の中に何本ものカテーテルを入れ、心房細動の発生源を電気的に焼いて抑え込む「アブレーション」という治療法もとられています。このアブレーションは、発作性心房細動や比較的早期の慢性心房細動であれば70〜80%の割合で治療することが可能だといわれています。
また、心房細動による脳梗塞は死に繋がる危険性が高いため、予防が絶対に必要です。心房内で血栓ができなくなれば、心房細動には不整脈などの問題が残りますが、脳梗塞をしばらくの間、予防することが可能になります。その予防に使われている薬が「ワーファリン」です。
ワーファリンには、血液を凝固させるために必要なビタミンKの作用を部分的にブロックし、血液が凝固しないようにする働きがあります。血液が全く凝固しなくなっては問題があるため、個人に合わせてワーファリンの量を調節し、「血液が固まりにくい」状況を作ります。季節や食事内容によっても血液の凝固具合に変化が出るため、ワーファリン服用者は検診のたびに採血を行い、血液の固まりやすさをチェックしていきます。血液が凝固する時間をワーファリンを使って正常時の2倍前後にコントロールしておくと血栓ができにくくなります。
心房細動患者の内、毎年何%の人が脳梗塞になっているかは世界各国で調べられています。その結果、ワーファリンを服用していないと平均で毎年約5%の人が脳梗塞を発症するというデータが出ています。ワーファリンでしっかりとコントロールしていれば、脳梗塞を約70%も減少させることが分かっています。そのため、心房細動患者は必ず脳梗塞の予防に効果があるワーファリンの服用が必要不可欠となります。
ただし、ワーファリンはビタミンKの作用を拮抗することで血液を固まりにくくします。そのため、例えば代表的な食品として、腸の中で大量のビタミンKを作る納豆は、食べることができません。いったん納豆を食べてしまうとビタミンKがたくさんできるようになり、ワーファリンによるコントロールができなくなってしまいます。



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