現代の最先端の治療法を駆使すれば、心筋梗塞の患者を救命することはできますが、その予後は相変わらず不良で、心筋梗塞を本当の意味で完治させることはできません。また、心房細動によって脳の血管が詰まり心筋梗塞になれば、認知症や寝たきりの原因に直結してしまいます。残念ながら、現段階では詰まった脳を元に戻すことはほとんどできません。再生医療は日々、研究が行われ、注目の胚性幹細胞である「ES細胞」などを使い、試験管の中で心筋細胞や神経細胞を作ることも実験的には可能になっています。しかし、実際の臨床現場で活用するまでには、まだまだ時間が必要です。『心筋梗塞や脳梗塞は完治できない』ということを理解し、心筋梗塞や脳梗塞を起こさないことが重要です。
心筋梗塞や脳梗塞を完治させる治療法はありませんが、予防するための薬や生活習慣を改善させる情報は整い、研究も進んでいます。最近では食べ物の過剰摂取や食塩の摂り過ぎが問題になっています。カップヌードルを1杯食べると4.5gの塩を摂取し、ハンバーガーなどにも2〜3gの食塩が含まれているといわれています。我々の体内には飢餓や食塩欠乏に対する適応システムが整っていますが、予想外のカロリーや食塩過多の対処方は持っていません。このような生活習慣は、糖尿病などの現代病を生み出す結果となっています。
心筋梗塞や脳梗塞は、起こす前に止めることが大切です。リスクの1つである「加齢」は止めることはできず、人は老いていきます。しかし、肥満や高血圧、高脂血症などの危険因子をコントロールしていれば、加齢による自然な衰弱だけで乗り切ることが可能です。加齢に多くのリスクがプラスされると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や心不全を起こし自由に活動できなくなる、腎臓を傷めて透析が必要になる、脳梗塞になって寝たきりになるなど生活を制限されてしまいます。
繰り返しになりますが、最も重要なことは「予防」です。健康診断などで数値に異常を指摘された場合、心筋梗塞や脳梗塞を起こす前に日頃の生活を見直す必要があります。5年後、10年後も心筋梗塞や、脳梗塞を起こさないためには生活改善や治療が大事です。心配なことがあれば病院を受診し、早期発見・早期治療がQOLを保つことに繋がります。