ケース1 〜不規則な生活によって体重が増加し、心筋梗塞を起こしたケース〜

 40歳の時点で体重が大学生の頃より20kgも増えたAさんを例にシミュレーションしてみます。Aさんは大学生の頃ラグビー部に所属していましたが、卒業後は全く運動をしていなかったため、あっという間に体重が10kg増えてしまいました。食事が不規則で、週末しか家で食事をしない状態で外食も多く、週に2〜3回はお酒を飲みに行っていました。運動はたまにゴルフをする程度だったようです。年に1度の健康診断では、体重が約85kg、ウエスト90cm、血圧は145/95 mmHg、血糖値は130mg/dl。5.8%未満が正常で、6%を超えると高いといわれるヘモグロビンA1cも6.5%で、おそらく軽い糖尿病があると考えられます。コレステロールは、悪玉コレステロールのLDL-Cが165 mg/dlと高く、善玉コレステロールのHDL-Cコレステロールは35 mg/dlと低い状態で、中性脂肪や尿酸値、ガンマGTPも高い状況でした。
このAさんが15年後にどのようになったかを考えてみます。55歳になったAさんは仕事上の責任も高く、部下のミスの処理などで疲労が蓄積し、不眠傾向にありました。ある寒い日の朝、駅に向かって歩いていると今までに経験したことのない激しい胸の痛みと冷や汗、嘔吐を起こしました。これは、典型的な「心筋梗塞」が発症するシチュエーションです。
循環器を扱う医療機関では、このような状態の人に頻繁に出会います。特に男性に多く、自覚症状もないために放置している人も多いようです。自覚症状がなくても心筋梗塞の危険があるため、生活を見直す必要があります。



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