心臓の筋肉は、電気的な活動が駆動力となり収縮・弛緩を繰り返します。心筋梗塞を起こすとその電気的な活動が狂い、「心室細動」と呼ばれる不整脈が発症し、死に至ります。
心筋梗塞を起こした時には、まず強い電流を心臓に流す「除細動」をかけ、不整脈になったリズムを規則正しい状態に戻します。徐細動によって血圧が上がり、息を吹き返した状態で病院まで運び込まれれば、助かる可能性が高くなります。ただし、心筋梗塞を起こした時、すぐ除細動が受けられる状況とは限りません。家で心筋梗塞を起こし、家族がすぐに気が付けば早い対処が可能です。しかし、それでも家族が救急車を呼んでから救急隊員が駆けつけ、状況を確認して除細動を行うまでの時間は相当かかってしまいます。
心室細動を起こすと心臓がブルブルと震えて収縮しないため、血液が送り出せず、血圧が低下してしまいます。血圧が下がると脳に血液が行かなくなり、自発呼吸が止まり「心肺停止」に陥ります。呼吸が止まってから4分で蘇生の可能性が半分になるため、心肺停止から人工呼吸や心臓マッサージで呼吸を再開する、血圧を上げるといった蘇生までの時間は非常に重要です。心肺停止から約4分後に蘇生できれば、ほぼ元の状態に回復するといわれています。4分以上経ってから蘇生した場合、ごく稀に低体温療法などで1週間程経ってから息を吹き返し、以前と同じように会話が出来るようになり、奇跡的に回復する人もいますが、一般的には脳死状態などになってします。
最近では「経皮的冠動脈インターベンション」という心筋梗塞の治療法が発達しています。これは、詰まった動脈にカテーテルを通し、バルーンを膨らませて血管を押し広げ、血栓を飛ばして血流を再開させる療法です。心筋梗塞を起こしても運よく蘇生して病院まで到着する、心筋梗塞を起こす前に病院に来ることができれば、このような治療を受けることができます。