先程のケースのように、末期癌から生還する「癌の自然退縮」という研究があります。その研究の結果、癌の自然退縮ができ、宣告された以上に余命を生きることができた人は、自分の生きざまを思い切って変えることができた人達です。
病を乗り切るということは、嵐の中を歩くようなものです。命を守るためには「傘」の役割をする方策がなければいけません。例えば、末期癌などの場合、体力が落ちているため、体力を上げる漢方薬やコエンザイム製剤などを補法として使用する必要があります。
また、傘には「芯」も必要です。この芯は患者自身で、芯となる患者が生きる意味をしっかりと持っていなければ、傘は飛ばされてしまいます。医療の力と患者の生きる意欲を合わせることで病を乗り切ることができるようになります。3か月の余命を宣告された後に8年半も生きることができた女性のように、生きる目的を見付け、周りによって生かされていることに気付くことができれば、しっかりとした傘で病という嵐を乗り切ることができます。
さらに、より効果的な治療にするための補法と、悪い部分を取り去る瀉法(しゃほう)をうまく使い分ける知恵が統合医療です。補法の効果には、食欲増進、痛みのコントロールが挙げられます。補法がうまく機能し、体のバランスが取れていれば、痛みを取るためのモルヒネを使用しなくても大丈夫です。
補法の効果を調べたところ、余命が6か月未満といわれた患者が、平均で18.4か月も長く生きることができたという結果が出ています。なかには8年、10年と命を長らえるケースも見られます。このようなケースは、素直でしたたかな生きざまに変えることに成功し、上手に従病ができたということです。