私達が受けている医療は、細菌に感染すれば抗生物質を飲む、インフルエンザにかかればタミフルを飲むといった現代医学です。現代医学の歴史はまだそれほど深くなく、レントゲンが発明されてから約100年です。点滴も戦後に入ってからの処置で、一般的になったのは昭和50年代を過ぎてからです。現在では漢方薬を服用している人も多くいますが、この漢方薬も保険収載されるようになったのは、昭和51年のことです。このように現代医学で使われている方法はまだまだ日が浅く、オールマイティーと考えるのは危険なものです。
現在では怪我で出血してしまった場合、たいていの人は止血をし、出血がひどければ病院で輸血を受けます。この「輸血」という医療的方法は、今では当たり前の処置ですが、今から150年〜160年前は、アメリカの最先端医学でも出血をしている人から血を抜く「瀉血(しゃけつ)」という方法がとられていました。
医学の歴史を見てみると、紀元前5世紀にギリシャの医師ヒポクラテスが医学を呪いや宗教と切り離し、科学的な考え方により行う医学の基礎を作りました。ところが、ローマ時代に入りヒポクラテスの医学が消え、体のあちこちから血を抜く瀉血が医学の方法論の中心となり、19世紀まで続いていました。