現代医学の問題点 〜緩和医療方針の相違や医療のバリエーション増加が、患者を戸惑わせる〜

 国際的な流れの中で、「生命倫理運動」というのが起きてきています。これは「インフォームド・コンセント」と呼ばれるもので、医療者が患者に診療内容を説明し、患者もそれに同意をして治療を進めていくというものです。以前は、癌患者の気持ちや受けるショックを考慮し、癌であることを医療側が告知しない時代が長く続いていました。しかし、現在では告知しないと問題になるため、インフルエンザや風邪と同じように癌を告知するようになってきました。告知された患者はショックを受け、その後の医師の説明などが頭に入ってこないという状況も多数あるようです。
また、医師は癌患者に手術や抗がん剤、放射線などの治療を行い、病院での治療が終わるとホスピスを勧めます。ホスピスは延命のための治療を行うのではなく、モルヒネなどで痛みや精神的苦痛を和らげる施設です。現在では緩和医療の方針が変わり、ホスピスではモルヒネで痛みを緩和し、看護婦が細やかな対応をしてくれる場所になっています。しかし、本来はそれだけでなく、患者という人間を「もっと理解する」という視点を持って接することが重要です。これが上手くなされていない理由には、医師がこのようなことを知らないという問題点が影響していると考えられます。
さらに、患者の要求は以前より大きくなり、健康を早く、できるだけ自然な方法で作りたいと考えるようになってきています。昭和51年に漢方薬が保険収載され、東洋医学の治療が行えるようになりました。この他、手や鍼を使用するなど治療方法のバリエーションが非常に増え、それらを教える学校も増加しています。しかし、それらがバラバラに活動しているために方向性が定まらず、定着しないケースも少なくありません。そのため、患者が医療機関に安心して通うことが難しくなっています。
現在では医師が増加傾向にあるにもかかわらず、東京ですら医師が足りないという現象が起こっています。それは、以前は1人の医師が頭痛や胸の痛み、皮膚のトラブルまで総合的に診療していたのに対し、現在では頭痛は脳外科、胸の痛みは循環器内科、皮膚の不調は皮膚科というように、受診する科がそれぞれ違い、多くの医師が必要になったため、医師不足が問題となっています。



‖ TOP ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖
‖  ‖  ‖ 10 ‖ 11 ‖ 12 ‖ 13 ‖ 14 ‖ 15 ‖ 16 ‖

株式会社保健同人社 Copyright (C) HOKENDOHJINSHA Co., Ltd. All Right Reserved.