うま味成分を合わせた料理 〜うま味の高い食材を重ねることでより味わい深くなる〜

 ラーメン屋などではスープを作るのに、鶏がらだけでなく、玉ねぎや長ネギ、人参などたくさんの「ダシ」となる食材を入れています。これは、1つのうま味だけでなく、複数重ねることで料理の味が深くなっていくからです。
家庭料理の一つでもある肉じゃがも、ジャガイモ、タマネギ、人参を入れて作ります。この3つの野菜は全てうま味の素です。もちろん、ダシをしっかり摂って肉じゃがを作れば、大変美味しい肉じゃがになりますが、うま味成分のグルタミン酸を組み合わせた野菜にイノシン酸の豚肉を入れると、うま味が重なり美味しい肉じゃがができあがります。
また、マグロの丼は、ご飯に海苔を乗せ、その上にマグロを乗せていただきます。うま味成分を多く含むマグロと海苔のうま味が混ざることで味が深くなり、ダシを摂ったように美味しくなります。白菜もグルタミン酸が多い食材で、冬の鍋物に入れたり、白菜と豚肉を炊き合わせる料理は、私達の舌が美味しいと感じるから好まれるメニューという訳です。焼売に乗っているグリンピースも単なる飾りではありません。美味しさをアップさせるための材料です。
このように、ダシだけにこだわるのではなく、素材の組み合わせを考えて料理することが美味しさの秘訣で、よりうま味を引き出すことにも繋がります。蕎麦には長ネギと海苔が一緒に出てきます。このようなうま味成分の多い食材を組み合わせた食べ方は、昔ながらの理論に基づいていることを覚えておくと良いでしょう。なぜこの料理にこの食材が使われているのか、上に散らしてある食材にはどのような理由があるのかを考えて調理していくと、美味しさを引き出すポイントとなります。
イタリア料理やフランス料理では、玉ねぎ・人参・セロリが料理のベースとして使われます。イタリア料理ではこれをソフリット、フランス料理ではミルポアと呼んでいます。玉ねぎや人参、セロリが余った時には、玉ねぎ2:人参1:セロリ1を目分量で測り、微塵切りにして炒めておくと、うまみ成分が濃縮された非常に美味しいソースの素となります。これは冷凍保存が可能で、炒め物やスープに入れると非常に深い味になります。
この他、「コハク酸」という、ホタテ貝やアサリ、ハマグリ、シジミなどの貝類に多いうま味成分もあります。このコハク酸は、グルタミン酸を多く含むマッシュルームにも含まれています。そのため、フランス料理や日本の洋食では、マッシュルームがよく使われています。マッシュルームは生でなくても、缶詰でも料理に入れると非常に美味しさが増します。そして、缶詰のマッシュルームを使う場合には、マッシュルームのうま味が出ている汁も捨てずにソースやスープに入れると美味しくなります。



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