石器時代の人間には、ストレスが少なかったと考えられます。ストレスを感じる時は、例えば、山火事や獣から逃げる、獣と戦うといった状況にのみ限られていたのではないでしょうか。つまり、当時の人間がストレスを感じる時は、動く必要があった時です。ストレスを感じた時には脈が早くなる、血圧が高くなる、血液を筋肉に集めて動きやすくするというように、自動的に体機能が調節されます。この調節を行っているのが、自律神経を形成している「交感神経」です。自律神経の中には、交感神経と副交感神経の2種類があり、交感神経と副交感神経は反対の作用をしています。
人間は、交感神経が働くと脈が早くなったり、血圧が上がります。石器時代のストレスは、一時的なものだったと考えられるため、血圧が高くなってもあまり問題になりませんでした。しかし、現代人は24時間ストレスを抱えているため、常に交感神経が働いている状態になっています。これでは血圧が高いままになってしまいます。
交感神経は別名、「闘争と逃避のための神経」といわれています。この交感神経と逆の働きをするのが、安静時や食事の時に働く「副交感神経」で、「安静と食事のための神経」といわれています。食事中は副交感神経が働いているため、血圧が下がり、脈拍も落ち着いています。また、筋肉に送られていた血液も消化吸収を助けるために消化器に集められます。このように、副交感神経が働くと、高くなっていた血圧は正常に戻ります。交感神経が働いていても、血圧が正常の状態に戻らない原因は「ストレス」が関係していると考えられます。ゆっくりと落ち着いて食事ができていれば血圧は自然に下がりますが、食事中も仕事の話しをするような忙しい状態では、血圧は下がりません。
交感神経と副交感神経は、どちらかが優位になればもう片方の神経は休んでいます。ですから、交感神経優位よりも、副交感神経優位の方が健康的な状態といえます。しかしながら、ストレスが多いと交感神経優位の状態から副交感神経優位の状態に切り替わることができません。
この交感神経優位の状態を、副交感神経優位に切り替えてくれるが「笑い」です。これは実験でもすでに証明されています。人間の体は、運動モードと安静モードの切り替えを自律神経が自動的に行っていますが、このモード変換を助けるのが「笑い」なのです。