糖尿病予備軍の治療 〜重症の境界型糖尿病患者には、病院からの薬を処方される〜

 最近では、食後高血糖といわれる軽症の高血糖があります。検診で血糖値が低くても、時間の経過によって変化する血糖値がチェックできるブドウ糖負荷試験で、血糖値が下がらないタイプだと分かるケースもあります。また、頸動脈エコー検査を行うと、動脈硬化が非常に多く見つかります。1.5mm以上のプラーク(血管内粥腫)がある人は、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすく、軽症の糖尿病でも血管障害の危険があります。
心筋梗塞、脳梗塞は、日本人の死因の2番目、3番目に挙げられている疾患です。これらの疾患を減らすため、2009年10月より食後、急激に血糖値が上がるのを防ぐ「α-グルコシダーゼ阻害剤」が、境界型糖尿病に対する薬として初めて認可されました。日本では「べイスン」が処方されます。
従来の境界型糖尿病患者は、半年に1回のブドウ糖負荷試験と、食事や運動に気を付ける程度でしたが、今後は薬物介入が可能となります。表面的な生活指導ではなく、病院で薬を処方されるため、"病気"だと自覚する患者が増えるのではないかと予想されています。境界型の糖尿病患者も薬を服用するようになると、現状の4倍近くの患者が通院する可能性が出てきます。
医療費などの問題から、「α-グルコシダーゼ阻害剤」には保険適用の条件がつけられるようです。1つは、「ブドウ糖負荷試験を行っている」ことがあります。しかし、糖尿病の専門医がブドウ糖負荷試験を行い、血糖値やインスリンの高さが、将来どのような結果に繋がるかをきちんと説明できなければ、正しい治療が行えません。
また、保険適用は、高血糖か高脂血漿の治療を行っている(薬を服用している)という場合に適応が認められます。つまりα-グルコシダーゼ阻害剤は、境界型糖尿病の中でも重症の人にのみ処方されるようになるということです。



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